2020/06/20

6月後半の制作アップ!

ここ数週間の課題の様子をピックアップして紹介します。
石膏デッサン、静物や空間素描、塑造では模刻や胸像制作が行われました。
制作時間も長くじっくり作ったものから、短時間の制作もありました。
それでは、見ていきましょう!

K.Sくん デッサンブルータス
かなり時間をかけて丁寧に形の起伏を描いています。
ブルータスのもつ体や頭部の量感、服の下に隠れた
身体の厚みがしっかり伝わってきますね。

M.Tさん デッサンマルス
細部の描写などもっと攻めていきたいところではありますが、
マルスらしさがよく出てたデッサンになりました。
体の正中線が少し手前側に流れてしまっているのが残念ポイント。
デッサンで描かれた像を正面から見た時に、正中線が正しい位置に
あるかどうかをイメージする力が必要不可欠です!

S.Iくん デッサンマルス
見上げの視点がしっかり描かれてるので、迫力のある
絵になっています。影の中では、ハリのある形なはずのあばらも
反射光などで一見形がよくわからないものです。
しかし、描きづらい脇腹周辺もおさえられていて、グーです。
顔が似てくると良いですよね〜。

A.Tさん 鉛筆素描レリーフ
石膏の白さが伝わり、光の射す状況がよく分かる綺麗素描です。
硬い鉛筆で重ねられた豊富なトーンがそれらを
可能にしているのですねぇ。


S.Iくん 鉛筆素描レリーフ
前者のデッサンとは、一転して石膏の重さをずっしり感じる
素描です。像がまとう布のシワの表現も、実際よりは少し彫りが深い
感じですが、その分体の形が強調され、レリーフながらも
厚みを丁寧に描き出しています!



昼間部生 塑像胸像
モデルとなる資料集め、ポーズ研究に積極的に向き合った制作に
なりました。首像制作においてもそうですが、どこで作品を
切るか(終わらせるか)はとても難しい問題ですよね。正解があるわけでは
ないので、その先の体がどのようになっているか自然に見せれるように
作れることも大切な技術です。難しいポーズでしたが、繋がりを意識して
作れましたね。
布の表現なんかも彫刻の歴史とは長い付き合いの
関係があるので、もっと研究すべしですね!
自身が制作した胸像を素描しました。
自分が作った塑造なので、どこをどいう風に見せたいか、ここはこだわりの
強いところなんだなど、痒いところに手がとどくといったところでしょうか。
構図や絵としての云い切りもいつもより強く感じますね!
また逆に、ここはまだちょっとつながりが弱いなぁなど、描いていて気づく
塑造の違和感も新鮮な発見です。


昼間部生 塑造胸像

とても魅力的な粘土の表情ですね。

形の抵抗感や、軽やかな服や髪の毛の表現が胸像の説得力を

強くしていますね。髪の毛なんかはそんなに作り込んでいるわけでは

ないのに風になびいているかの様な軽さを感じます。



自身が制作した胸像を素描しました。

自分で作った形なので、どこがどういう風になっているかは

わかっているはず。普段のよりも理解しながら描くという点

では、よく考えながら描けたのではないでしょうか。

また、粘土なので、気になったら直接粘土に手を加えることも

できます。面白い課題でしたね!


今後は、オリジナル制作展にむけての自由制作が始まります!
楽しみです!!!

2020/06/06

アトリエでの制作スタート

6/1より湘南美術学院でも校舎での授業が再開されました。
コロナウィルス感染防止策を取りながらの制作となり、まだまだストレスのない環境とはいえませんが、何よりも広い空間を感じ、粘土を手に取り実感する喜びを感じる日々です。
今週は、石膏像奴隷とジョセフのデッサン、塑造は自刻像と手の構成という課題でした。昼間部では各自の進度やレベルにあわせて制作時間はフレキシブルに。夜間部では、同じ内容で3日間ごとの課題となりました。

A.Tさん
3日間じっくり奴隷石膏デッサン。
細部の描写と形態感の強さを最後まで追求していたので魅力的かつ、
このデッサンから立体を再現できそうな情報の多さを読み取れます。

昼間部生
こちらの塑造も3日間じっくりです。
一見色味がない様に感じる粘土での制作ですが、光を当てた時に
生まれる陰影の豊富さが、肌艶の生々しさを感じさせてくれます。
実在感によく迫った3日間となりました。


M.Mさん
格闘の3日間、ジョセフ石膏デッサン。
形を見る上で、面って?方向って?この制作を通して考えるきっかけ
となりました。複雑な造形を少し簡単な形に置き直す見方を彫刻の制作では
多々行ないますが、その際に便利なのが面という捉え方です。
胸板などは板って言葉が入ってるので分かりやすいですよね。
どこを面とするのか、その面がどういう方向を向いているのか。
私は今どこからそのものを見ているのかという視点が重要です。
ものを捉える考え方は人それぞれで、共有するのはとても難しいですが、
その努力はお互いに必要ですね!



2020/06/01

自画像3種類! featTG先生

彫刻家にとって必要な自画像とは?
TG先生による自画像課題が5/29、30で行われました。まさにこれまでのオンライン課題の集大成ともいうべき授業。多くの資料を参考にしながら、体を大きく使えない分、頭フル回転で2日間自画像に挑みました。
こ
⒈徹底的に観察して、それをイメージ化して描くことによってイメージ力強化をするのだ!
⒉引用とパクリの違いを理解せよ!引用とは引用元のことを理解して何 故そのように造られたのかを自分なりに答えを出してそれを己の作品に当てはめていくことです。
⒊平面上に立体を表現するということを掴め!立体を理解する能力を付けるには見た物を面に分解して再構築するトレー ニングが必要です。

何点か学生の作品を紹介します!
石膏想定自画像からの面取りです。

A.Tさん
鉛筆の柔らかな色調がよく出てるいい石膏想定自画像です!
面取りも構造をしっかり抑えたものになってますね。
髪の毛は、もっと攻めた細分化面取りがみたいですね。


S.Iくん
木炭からの鉛筆スイッチング!
いろいろな引用の痕跡。面白い構成。


M.Iさん 高校生
髪の毛をはじめ、面白い面の展開ができましたね!
体、服の襟も少ない面で的確に方向性が出せてます。


先生たちによる加筆指導もありました。
T晴先生による愛の鞭 
面の意識は、言い切りの強さ。自信持って言い切っていこう!


K.Eさん 高校生
面取りでは、量を少ない面でしっかり捉えらて良いですねぇ!
髪の毛の厚みも表現できていて、いいベースができてます。
この先も気が済むまでやってみて欲しい作品です。


H.Tくん 高校生
自身でポーズ、構成を考え、画面上で再構成するのはなかなか
難しいですが、しっかり設定を作ってブレずに描けました。
体、肩周りの面の展開はスケール感も出せてていいですねぇ!